乳酸菌のすべて

乳酸菌の定義

ヨーグルトやチーズ、漬物などの様々な発酵食品に含まれている乳酸菌。
腸内環境を整えるという効果から、多くの商品の宣伝のキーワードになっています。
そのため乳酸菌という名前は広く知られていますが、どういった定義で乳酸菌といわれているのでしょうか。
今回は、乳酸菌の定義についての詳細をご紹介します。

乳酸菌の定義

ブドウ糖に対する乳酸生成量が50%以上

乳酸菌はブドウ糖を取り入れて乳酸を作り出します。
それだけで簡単に乳酸菌と決まるのではなく、取り入れたブドウ糖に対し50%以上の乳酸を作っていることが特に重要な定義となります。
もしも乳酸を生成するものが無差別に乳酸菌と呼ばれていては、乳酸菌を含む食品が数多く存在することになります。
確かに乳酸菌は乳酸を作り出すはたらきがありますが、最終的にはいくらブドウ糖を取り入れても乳酸を作る量が49%以下になってしまっては、それは乳酸菌とは呼びません。
もし50%に満たないのにもかかわらず、「乳酸菌が含まれている」としている商品があれば、それは偽りだと判断できるのです。
このことから、乳酸を作り出す生成率の数値が乳酸菌における大きな定義といえるのです。

棒状または球状の細胞形態

乳酸菌を構成している細胞の形態は2種類あります。
1つは棒のような形をした桿菌(かんきん)です。
これは幅が1マイクロメートル、長さが3から7マイクロメートルで、基本的にはこの範囲内で収まっています。
しかし、中には長さが数十マイクロメートルにも及ぶ大きなものや、長さが幅とほぼ同じ小さなものもあります。
前者を長桿菌、後者を短桿菌と呼びます。
球状の形をした球菌は、名前の通りボールのように丸い形をしています。
これは複数個がつながり、細胞分裂で分裂面が平行になってつながり続けたものは連鎖、2回目以降の分裂で平行ではなく直角につながったものは4聯(よんれん)と呼びます。
まっすぐ横向きににつながっていたものに、新たにつながったものが縦向きにつながってきたら4聯、縦向きにつながってこない列車のようなものが連鎖というイメージです。
このように、乳酸菌の細胞は複数種類存在していますが、このうちのどれかに当てはまれば乳酸菌といえます。
もしこれらの形態とはかけ離れた全く違うものを乳酸菌としているものがあれば、間違った情報といえます。

グラム陽性菌である

乳酸菌はもちろん、菌類はどれも色素を追加すると色が変わります。
グラム染色という方法で菌の色がどう染まるかを試して判断します。
青色から紫色に変われば「グラム陽性菌」と呼び、細胞膜と細胞壁(細胞膜などの中身を守る役割)があります。
つまり、「頑丈さのある構造」といえます。
逆に、赤色からピンク色に変わるものは「グラム陰性菌」と呼び、細胞膜はあっても細胞壁を持っていません。
つまり、「陽性のものほど頑丈さのない構造」といえます。
乳酸菌は色を染めると紫色に変わる性質があり、1つ1つが頑丈さを持っているのです。
なので、定義は陽性菌という「頑丈さがある構造かどうか」といえるでしょう。

カタラーゼを持っていない

過酸化水素を鉄原子とポルフィリンから構成された「ヘム」を含んでいる酵素で、酸素と水に分解する作用を持つものをカタラーゼといいます。
そして、酸素を呼吸により取り入れて、エネルギーとして生きる仕組みを「TCA回路」と呼びます。
動物や植物、酸素により生きるカビなどの微生物はこれを持っていますが、乳酸菌は酸素がなくても生きていけるので必要としません。
よって酸素を取り込むTCA回路を持っていないため、カタラーゼを持つ必要もありません。
なので、カタラーゼを持っていないという点も乳酸菌の定義です。

さらに細かい定義もある

ここまでは代表的な定義でしたが、他にも細かく定義がされています。
挙げると、耐久性の高い細胞構造を意味する「内生胞子」を形成しないこと、運動性がないこと、アメリカ食品医薬品局が食品添加物の安全性の基準を満たした証書となる「GRAS」に認められていることなどです。

豆知識として取り入れておこう

乳酸菌の定義は、このように複数個あり尚且つとても細かく提示されています。
関係する用語は軒並み専門的なものとなっているため、日常生活で必要な知識として覚えておく必要な特にないといえます。
ただ、乳酸菌に関する分野における専門家以外の方であればほとんど知っている方はいないので、より知識を深めるためのひとつの豆知識として留めておくと良いでしょう。

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